排水管は普段目に見えない場所に設置されていることが多く、毎日使っているものでありながら、日常生活の中で意識が向く設備ではありませんよね。しかし排水管からの水漏れが発生してしまうと、床材の腐敗や下階への漏水被害、害虫被害など大きな二次被害が発生することもあるため、気付いた時にすぐに対処しなければいけません。しかし排水管の水漏れは、日常生活の中でそう多く遭遇するものではありません。そのため原因や対処法、業者を呼んだ際の修理費用について知らないと水漏れが発生した際に落ち着いて対処できず、必要以上に焦ってしまう方も多いです。今回はそんな排水管の水漏れトラブルについて、その原因や対処法、また修理にかかる費用について解説をしていきます。
排水管からの水漏れの原因と対処法

まずは排水管から水漏れを引き起こしてしまう原因と、水漏れトラブルが発生したした際の対処法について解説していきます。排水管だけに限らず、水漏れトラブルはその原因と対処法を知っておくだけで、万が一の際は落ち着いて対処できますし、二次被害につながる前に阻止することができます。一度覚えたら一生活用できる知識ですので、是非覚えておくようにしましょう。
排水管の接続部分のゆるみ
▶原因
排水管は使用しているうちに、部品の劣化や地震などの衝撃により、配管と配管の接続部分の部品がゆるんでいってしまうことがあります。これはどの水回り設備にも起こりうることで、見えない部分で進行しています。ゆるみが大きくなると接続部分から少しずつ水漏れをするようになります。トイレなどであれば排水管からの水漏れは臭いで気付くことが多いですが、キッチンや洗面台では収納に隠れて気付きにくいことも多いです。
▶対処法
トイレの場合は、排水管はトイレを動かさなければいけないことも多く、個人で対処するには非常に難しい部分です。そのため、まずは該当トイレの使用を中止し、水を流さないようにしてから専門の修理業者を呼ぶようにしましょう。換気ができる状態であれば換気を行っておくようにしましょう。キッチンや洗面台では、まずは下部収納をどかし、排水管を確認します。部品のゆるみだけであれば部品をレンチなどで締め付けることで水漏れは収まりますが、部品の劣化が進んでいる場合は万が一水漏れが落ち着いたとしても部品の交換をすることをオススメします。部品はホームセンターなどで購入することもできますが、交換作業に不安がある方はプロの業者に依頼すると安心です。
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排水管の亀裂
▶原因
排水管は、劣化や地震などの衝撃により亀裂が入ってしまうことがあります。亀裂が入ってしまうと、そこから排水が外に漏れだしてしまうため、接続部分のゆるみの際と同様に少しずつ水漏れを起こします。ただし排水管の劣化が進んでいて激しく亀裂が入ってしまっているような場合には、流した水がそのまま全て漏れ出してしまうこともあり、重大な二次被害を引き起こします。特にトイレの場合は下階への影響も懸念されるため、気付いた際にはすぐに対処しなければいけません。
▶対処法
トイレの場合は排泄部分のゆるみと同様に、すぐに使用を中止しプロの業者を手配しましょう。キッチンや洗面台の排水管からの水漏れの場合は、該当する排水管の亀裂に対してバケツを設けて排水を受け止めたり、防水テープを巻きつけることで一時的に水漏れを防ぐことができます。また水を使用しなければそれ以上水漏れが起きることはないため、使用を中止することも対策のひとつとして有効です。排水管の交換は力加減などが難しく部品も多いため、ここまで対処できたらすぐにプロの業者に連絡をし修理対応をしてもらうようにしましょう。
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つまりによる逆流
▶原因
排水管の中でつまりが発生している場合、排水した水が逆流して排水口やトイレ便器からの水漏れをすることがあります。つまりは、排水管の劣化により排水管内部が汚れで排水不良をおこしているケースと、排泄物や固形物などのよる物理的なつまりを起こしているケースの2パターンが考えられます。排水管の劣化では徐々に排水不良を起こしていくため、水が流れにくいと感じている場合は注意が必要です。つまりによる水漏れでは、一度に流す量が多すぎたり誤って固形物を落としてしまったなどの場合に起きやすいトラブルです。
▶対処法
つまりによる逆流の場合は、どの水回りに対してもラバーカップが有効です。まずは一度ラバーカップを試して、様子をみましょう。ラバーカップでも改善されないつまりの場合は、排水管の中を見る必要があったり、業者が使用する強力なローポンプと呼ばれるラバーカップを使う必要があることもあるため、水回りの使用を中止しプロの業者に連絡しましょう。配管の劣化による排水不良の場合は、高圧洗浄による配管内の清掃もしくは配管の交換も必要となるケースがあるため、業者に確認してもらい適切な対処をしてもらうようにしましょう。
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排水管からの水漏れを放置するとどうなる?
排水管の水漏れは、最初はわずかな滴りでも、放置すれば確実に被害が広がっていく厄介なトラブルです。見た目では分かりにくく、気づかないうちに床下や壁の中で水がしみ出し、住まいや水回り設備の劣化を進める原因となります。そして排水管からの水漏れトラブルを放置することで、さまざまな二次被害につながる恐れがあるのです。では具体的に、排水管からの水漏れは放置するとどのようなトラブルを招くのでしょうか。ここでは、排水管の水漏れを放置した場合に起こりうるリスクについて詳しく解説していきます。
床下や壁内部の腐食・劣化が進行する
排水管の水漏れをそのままにすると、漏れた水が床下の木材や壁の内部にしみ込み、構造部分の腐食やカビの繁殖を引き起こします。特に木造住宅では、わずかな湿気でも時間の経過とともに柱や土台が弱くなり、建物全体の耐久性を損なうことがあります。見えない場所でゆっくりと被害が進行するため、気づいたときには床が沈む、壁紙が浮くといった深刻な状態になっているケースも少なくありません。湿度が高い環境が長く続くと、白アリを引き寄せる原因にもなり、修復には大がかりな工事が必要になることもあります。さらに、湿気を含んだ木材は乾きにくく、常にじっとりとした状態が続くことで、内部の金属部品や釘までも錆びやすくなります。その結果、床鳴りやドアの歪みといった二次的な症状が現れ、住まい全体のバランスが崩れることもあるため、住宅を守るためにも早期発見することが大切です。
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カビや悪臭が発生し、室内環境が悪化する
水漏れによって湿気がこもると、カビや雑菌が繁殖しやすくなり、独特のカビ臭や下水のような悪臭が室内に漂うようになります。とくにキッチンや洗面所、浴室などの排水周りは、温度や湿度が高いためカビが発生しやすい環境です。放置すれば、壁紙や床材の裏側に黒カビが広がり、見た目の汚れだけでなく、健康被害を及ぼす可能性もあります。アレルギー体質の方や小さな子ども、高齢者がいる家庭では特に注意が必要で、空気の質の悪化は日常生活の快適さを損なう大きな原因となります。さらに、カビや悪臭は家具や衣類にも付着し、除去が難しくなる場合もあります。湿った環境が長く続くと、室内全体に悪影響が広がり、生活空間の衛生状態を保つことが非常に困難になるため、早めの対応が重要です。加えて、放置されたカビは健康被害だけでなく、住宅の資産価値を下げる要因にもなるため、注意しなければいけません。
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水道料金が上がるなど、経済的な負担が増える
排水管の水漏れは、目に見えない箇所で長期間続いていることも多く、その間に無駄な水が流れ出してしまいます。その結果、水道料金が通常よりも高くなり、気づかないうちに家計に大きな負担がかかることがあります。たとえば、わずかな滴りでも毎日流れ続ければ、1か月で数千円以上の水道代が余分に発生することも珍しくありません。特に集合住宅では、自分の部屋だけでなく下階に水が漏れ出す可能性があり、床や天井の損傷によって損害賠償や修理費用を請求されるトラブルに発展することもあります。さらに、水漏れを放置すると被害が拡大し、単なる排水管の修理だけでは済まなくなるケースがあります。床材や壁材、断熱材まで湿気や腐食の影響を受けると、大規模な張り替えや修復工事が必要になり、数十万円から場合によっては百万円近くかかることもあります。特に、木造住宅や古い建物では、建材の劣化が早く、修理費用も高額になりやすいため、早期対応が経済的にも重要です。わずかな水漏れでも「そのうち直せば大丈夫」と放置せず、早めに専門業者に点検してもらうと安心ですよ。
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電気設備への影響や感電リスクが生じる
排水管の水漏れが電気配線やコンセント部分にまで及ぶと、ショートや感電などの危険が生じます。特にキッチンや洗面所、浴室など、水と電気が近接している場所では注意が必要です。漏水した水が電気機器内部に入り込むと、家電や照明機器の故障、最悪の場合は発火や火災につながる恐れもあります。また、湿気によってコンセント内部や配線の金属部分が錆びたり腐食したりすると、電気抵抗が変化して予期せぬトラブルの原因となります。配線の劣化は目に見えにくく、見落としたまま使用を続けることで、突然の停電やショート事故を招くことも少なくありません。さらに、長期間の水漏れ放置は電気設備だけでなく、家全体の安全性にも影響を及ぼします。たとえば、床下や壁内で漏れた水が電線や分電盤に到達すると、配線の絶縁が劣化し、感電事故のリスクが高まります。また、水漏れによる湿気は家全体の電気機器に悪影響を与え、見えないところで徐々に故障を進行させるため、結果的に修理費用が増大することもあります。このように、水漏れの放置は生活の安全性を直接脅かす重大なリスクであり、少しでも異変を感じた時点で早急に専門業者による点検と修理を行うことが不可欠です。
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生活の快適さが損なわれ、精神的なストレスも増す
排水管からの水漏れは、生活空間にさまざまな不快感をもたらします。床下や壁内の湿気により、床が軋んだり壁紙が浮いたりするだけでなく、カビや悪臭が広がることで、家全体の快適さが損なわれます。特に水回りの異変は日常生活に直接影響するため、家族が自由に水回りを使えない状態が続くと、精神的なストレスも増していきます。最初は小さな水漏れでも、放置することで症状が目に見える形にまで進行すると、安心して暮らせる空間が失われてしまうのです。さらに、見えない場所で進行する被害は心理的負担を大きくします。「どこから漏れているのか分からない」「修理費用がいくらかかるのか不安」といった心配は、日常生活の中で常にストレスとなります。また、水漏れによるカビや湿気は家具や衣類にも影響し、掃除や片付けの手間が増えることで家事負担も重くなります。これにより、家全体の衛生状態が悪化し、家族の健康や生活の質にも影響を及ぼすことがあります。そのため、排水管の水漏れは早期に発見して修理することが、生活の快適さと精神的な安心を守る上で非常に重要です。
排水管からの水漏れ修理にかかる費用はどのくらい?

ここまでで排水管からの水漏れの原因や対処法について、知っていただくことができたのではないかと思います。どの工程にも最後には業者に対応してもらう必要がありますが、やはり気になるのが業者に依頼した際の修理金額ですよね。どのくらいの金額がかかるか、事前に知らないという方で高額な費用を請求されても疑問に思わず払ってしまったという話も珍しくはありません。そのためある程度修理費用に関する知識が必要です。ここでは、一般的な排水管からの水漏れに対する修理費用について解説をしていきますので、修理業者を呼ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
調査見積もり費用:0円~数千円
業者は到着した後に、水漏れの原因特定と見積もりの作成を行います。近年では比較的多くの業者が、初回の調査や見積もり費用を無料としていることも多く、近場であれば出張費用も取らないケースが多いです。こうした部分はお住まいの地域にも影響されるため、依頼する前には調査見積もり費用や出張費用の確認をしておくと安心です。また相見積もりで比較検討される方も多いため、相見積もりをしたいという方にとっては検討段階でお金がかからないというのは経済面でも嬉しいポイントですよね。
部品修理・交換費用:1万円~3万円
部品の修理や交換が必要な場合、多くの場合は3万円以内で済みます。ただしトイレの場合は取り外し、再び戻すという作業が発生することも多く、その場合は追加で3万円~5万円ほどかかることがありますので、トイレの排水管の場合は追加費用がかかることを予め把握しておくようにしましょう。また依頼する際に、業者のホームページなどに記載がある費用を確認しておくと安心です。
軽度なつまり除去費用:5千円~1万円
つまりによる逆流で、つまりの原因が軽度なものであれば基本的には1万円以内で対応してくれる業者がほとんどです。家庭用ラバーカップは依頼するよりも安く手に入ため、うまりが軽度であると自分で判断できる場合、ラバーカップを買って自分で対処するのもいいかもしれません。業者に依頼した際には業務用の器具を使うこともあり、ラバーカップでも解消できないようなつまりにも対処できます。
高圧洗浄機による配管清掃:3万円
排水管内の蓄積された汚れが原因で水漏れを起こしている場合、配管掃除の高圧洗浄が有効です。業者が使う高圧洗浄機は威力も強く、配管のメンテナンスにも使用されるようなものですので、少し費用は高めになります。悪徳業者の詐欺手口のひとつとして、高圧洗浄機の使用で数十万円の費用を請求してくるといった被害が多く発生しているため、注意が必要です。
排水管の交換:10万円~30万円
排水管の交換が必要な場合は、高額な費用が発生します。金額に上下があるのは、使用する配管の種類や長さによるためです。住宅によって適切な排水管の設置方法の見極めが重要で、ライフラインに直結する工事であるため、水道局指定業者など安心して依頼できる業者を選ぶことをオススメします。
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まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。
