室内設備であれば、今はほとんどが混合水栓が使用されています。そのため混合水栓自体は見慣れている蛇口の形状かと思いますが、混合水栓もよく見ると構造や見た目に違いがあるため、水漏れトラブルが発生した際にどのように対処すればいいか分からない・・・と困ってしまう方も多い印象です。普段気を付けていても水漏れトラブルは突然発生するものですので、自宅にある混合水栓の種類を把握しておき、万が一の際に備えて水漏れの際の対処法を知っておくと安心です。今回は混合水栓の種類やその特徴、水漏れトラブルの際の対処法について解説をしていきます。

蛇口の種類は、どんなものがある？

まずは大まかに蛇口の種類について解説をします。まず蛇口そのものの種類としては「単水栓」と「混合水栓」に区別されます。単水栓はその文字の通り、水もしくはお湯のどちらかひとつを単独で出す水栓のことをいいます。現在はほとんど見ることがなくなりましたが、以前は室内の水回りにも広く活用されていました。一方で屋外などにはガーデニングや洗車用に、現在でも単水栓が設けられることがあり、庭や駐車場付近に設置されていることもあります。混合水栓は、水とお湯をひとつの蛇口から出すことができるという点が最大の特徴です。水とお湯を同時に出し、適温にするため温度調整をすることが可能です。混合水栓はさまざまなタイプが開発され、使い勝手もよくなり多くの水回り設備で使用されています。今回は家庭でも多く使われることの多い混合水栓についての解説をしていきます。また混合水栓には大きく分けて3種類あるため、最初に混合水栓の種類についても解説をしていきます。

ツーハンドル混合水栓

混合水栓の一番ベーシックな形が、ツーハンドル混合水栓となります。吐水口はひとつ、蛇口がふたつといった構造になっております。蛇口は水とお湯それぞれ分かれており、ふたつの流水量を調整することでお湯を適温にすることができます。また水だけ、またはお湯だけを出したい場合は片方だけをひねることで出すことができるシンプルな構造です。蛇口が水とお湯で分かれているため、適温に調整する作業が少し手間となりますが、それぞれ出ている場所が違うことから混合水栓の中では一番流水量が多く、一番早く水やお湯をためることができます。

シングルレバー混合栓

シングルレバー混合栓はその名前の通り、レバーがひとつ吐水口がひとつのシンプルな構造です。また操作方法もレバーを回して行うため簡単で、流水量や水の温度調整がしやすいという特徴があります。家庭では洗面台、キッチンなどの水回り設備に主に用いられています。シングルレバー混合栓は洗練されたデザインも多く開発されており、お洒落なデザインにこだわりたいという方にも人気があります。

サーモタット混合水栓

サーモタット混合水栓は、吐水口から出る水に対して一定の温度調整を自動で行う機能が備わっています。温度調整という部分ではシングルレバー混合栓とほぼ同じ役割ですが、サーモタット混合栓はシングルレバー混合栓より更に高精度の温度調整ができる特徴があります。シャワーやスパウトの切り替え機能が付いているものが多く、現在では浴室に使われていることがほとんどです。

混合水栓からの水漏れの原因とは？

ここまでで、混合水栓について種類別の特徴を知っていただけたかと思います。見た目でどの混合水栓か分からない、という場合は上記を参考にどの混合水栓に当てはまるか、確認をしてみてくださいね。不安であればメーカーなどに問い合わせると、教えてもらうことができます。修理などで部品が必要になった場合は混合水栓の種類や当てはまるメーカーを知っておく必要がありますので、時間がある時に確認しておくようにしましょう。続いて、混合水栓から水漏れした場合の原因について解説していきます。水漏れに正しく対処するためには、まずはその原因を把握することが大切です。

吐水口からの水漏れ

蛇口をしめているはずなのに吐水口やシャワーヘッドから水が出てきてしまう、という場合にはカートリッジの故障が考えられます。カートリッジとは、混合水栓の心臓部とも呼ばれる重要な部品のひとつで、レバーハンドルの下の本体部分に内蔵されています。混合水栓におけるカートリッジの働きは、水を出したり止めたりするだけではなく、水やお湯への切り替えなども担っています。そのため負担が大きく、混合水栓の水漏れトラブルで原因であることが比較的多い印象です。

蛇口本体からの水漏れ

蛇口本体（胴体部分）から水漏れを起こしてしまっている場合、カートリッジの故障が考えられます。そのため吐水口からの水漏れで解説をした、カートリッジ交換を試してみてください。しかし台付シングルレバー混合栓の場合は内部にパッキンを使用している構造のため、パッキンの破損や劣化による水漏れの可能性があります。パッキンはカートリッジと同様、使用頻度に応じて摩耗していきます。そのため台付シングルレバー混合栓を使用している水回りの場合、カートリッジとパッキンのどちらかの可能性を考えなくてはいけません。

パッキンの劣化

混合水栓の内部には、水漏れを防ぐためにゴム製のパッキンが使用されています。このパッキンは水圧や頻繁な使用に耐える設計ですが、経年劣化や摩耗によって徐々に硬化し、弾力性を失います。劣化したパッキンは接合部に隙間を生じさせるため、水が漏れる原因となります。特にハンドルや吐水口周辺からの水漏れは、パッキンの劣化が疑われる主な要因です。また、水道水に含まれるカルキや異物がパッキンに付着し、劣化を加速させる場合もあります。これを放置すると、漏れが広がり修理費用が増大する可能性があります。

カートリッジの故障

シングルレバー型の混合水栓は、レバー1本で水量と温度を調節する便利な構造になっています。その中心的な役割を担うのが、内部にあるカートリッジです。このカートリッジには、セラミックディスクやゴム部品が組み込まれており、水とお湯の混合をスムーズに行う仕組みになっています。しかし、長期間の使用や水道水中の不純物の影響で、ディスク表面に汚れや異物が付着することがあります。また、内部の部品が摩耗すると、カートリッジが正常に機能しなくなります。この結果、水が漏れる、レバー操作が固くなる、またはスムーズに温度や水量を調節できなくなるといった不具合が発生します。

接続部分の緩み

混合水栓と給水管、または吐水口との接続部分は、しっかりと締め付けられることで水漏れを防いでいます。しかし、工事や設置時に接続部分の締め付けが不十分であった場合や、長期間の使用中に発生する振動によって接続部分が緩むと、水漏れが発生することがあります。特に、頻繁に蛇口を操作する場所では、振動が蓄積されやすく、緩みが生じる可能性が高くなります。こうした緩みが原因の水漏れは、接続部分からの水滴や、使用時に水が漏れ出す形で現れます。

内部の汚れや異物の詰まり

合水栓は、温水と冷水を調整して適切な水温を提供する重要な役割を担っています。しかし、内部に汚れや異物が詰まることで、水漏れトラブルが発生することがあります。水栓の内部には、温水と冷水を分けるためのバルブやシールがあり、これらは水流を制御しています。時間の経過と共に、水道水に含まれるミネラルや汚れが内部に蓄積し、バルブやシール部分に詰まることがあります。この詰まりが原因で、正常に水流が調整できなくなり、漏水を引き起こすことがあります。特に、カルキ（カルシウムやマグネシウムなど）が堆積すると、パーツが硬化し、動きが悪くなったり、ひび割れたりすることがあります。また、異物が水道管内に入り込むことも原因となります。ゴミやサビなどが水栓内部に流れ込み、詰まりを引き起こすことがあります。

混合水栓の水漏れの対処法とは？

混合水栓がなぜ水漏れをしてしまうのか、その原因について知っていただくことができたかと思います。ではここからは実際に、混合水栓から水漏れをしてしまった場合の対処法について詳しく解説をしていきます。原因別に対処法をお話していきますので、水漏れの原因が分かる場合は以下の方法で水漏れが解決するか試してみてくださいね。

吐水口からの水漏れ

まず、作業を始める前に止水栓を締めて水道の水を止めます。次に、蛇口のハンドルを外します。ネジ式の場合、ハンドル上部のキャップを精密ドライバーで外し、レバーハンドルの場合は、ハンドルの正面にある小さなキャップを外します。キャップが外しにくい場合は、ドライバーの先端を差し込み、取手部分に力を入れてテコの原理で持ち上げます。キャップを取り除いた後、ネジ穴に合うドライバーを使ってネジを外します。レバーハンドルが埋め込み式の場合は、キャップはないのでハンドルを引き抜くことで外します。その後、カートリッジカバーを外しますが、台付ワンホールシングルレバー混合水栓の場合、本体が回転しないように注意が必要です。メーカーによっては専用の固定具がある場合もあり、本体が回ってしまうと水漏れトラブルに繋がる恐れがあるため、難しいと感じた場合は無理に作業せず、専門の業者に依頼することをお勧めします。古いカートリッジを取り外したら、新しいカートリッジに交換し、カートリッジカバーとハンドルを元通りに取り付けて作業は完了です。最後に、水道を開けて漏れがないか確認して終了です。

蛇口本体からの水漏れ

パッキンの交換手順は以下の通りです。まず、作業を始める前に止水栓をしっかりと締めて、水道の水を止めます。次に、蛇口のハンドルを外します。場合によっては、カートリッジも一緒に外す必要があります。その後、ピンセットなどを使用して既存のパッキンを取り外します。古いパッキンを取り除いたら、新しいパッキンを取り付けます。最後に、蛇口のハンドルを元に戻し、作業は完了です。なお、上記は一般的なパッキン交換方法ですが、パッキンには種類がいくつかあり、混合栓のタイプによって取り外し方法が異なることがあります。そのため、作業を始める前に一度メーカーに確認を取ると、正しくスムーズに進めることができます。

パッキンの劣化

水道の元栓を閉めた後、まずハンドル部分を分解し、古いパッキンを取り外します。次に、新しいパッキンを取り付けます。その後、元通りにハンドルを組み立て、元栓を開けて、水漏れが収まったかを確認します。パッキンにはメーカーや混合水栓によって規格の合うものが変わりますので、取り外す前にパッキンの確認をしておきましょう。また蛇口部分の解体は複雑で、順番を適切に覚えていないと、緩みが発生したり上手く蛇口の部品を戻せなくなってしまうこともあります。自分での交換が難しいと感じた場合は、無理せずプロの業者に依頼しましょう。

カートリッジの故障

混合水栓のカートリッジが故障した場合、まず水道の元栓を閉めて、作業中の水漏れを防ぎます。次に、蛇口ハンドルを外します。ネジ式のハンドルはキャップを精密ドライバーで外し、ネジを取り外します。レバーハンドルの場合も、キャップを外してネジを取り外します。ハンドルを外したら、カートリッジカバーを外します。この際、カートリッジ本体が回らないよう注意し、必要であれば専用の固定具を使います。次に、故障したカートリッジを取り外します。カートリッジ内部の汚れや異物も原因になることがあるので、取り外し後は清掃を行います。その後、新しいカートリッジを取り付け、カートリッジカバーとハンドルを元通りに戻します。作業が完了したら、元栓を開け、蛇口をひねって水漏れがないか確認します。もし水漏れが続く場合は、再度取り付けを確認するか、専門業者に依頼することをお勧めします。

接続部分の緩み

混合水栓の接続部分が緩んで水漏れが発生している場合、まず水道の元栓を閉めて作業を始めます。次に、水漏れが発生している接続部分を確認し、緩んでいる箇所を特定します。見つかったら、レンチやモンキーレンチを使って接続部分をしっかりと締め直しますが、締めすぎないように注意が必要です。締めすぎると部品が壊れることがあります。また、接続部分のパッキンが劣化している場合もあるため、古いパッキンを取り外し、新しいものに交換します。パッキンが新しいものであれば、再度接続部分を締め直した後、水漏れが収まったかを確認します。作業が完了したら、元栓を開けて、蛇口をひねって水漏れがないかを確認します。もし水漏れが続く場合は、さらに詳しい点検が必要です。その際は、無理に自分で作業せず、専門業者に依頼することをお勧めします。

内部の汚れや異物の詰まり

混合水栓内部の詰まりや汚れが原因で水漏れが発生している場合、まず水道の元栓を閉めて作業を始めます。次に、蛇口ハンドルを取り外し、カートリッジや内部パーツにアクセスします。内部のパーツに汚れや異物が詰まっている場合、精密ドライバーやブラシを使用して、丁寧に清掃します。カートリッジやフィルター部分に汚れが蓄積している場合、取り外して清掃し、必要であれば新しいものに交換します。パーツが清潔で正常に動作するようになったら、再度元に戻し、ハンドルを取り付けます。作業後は、元栓を開け、蛇口をひねって水漏れが解消されたか確認します。

混合水栓からの水漏れトラブル、放置するとどうなる？

中には水漏れの程度がわずかな程度で、問題なく使えているからこのまま使い続けよう・・・と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし小さな水漏れでも、放置することで大きな水漏れトラブルに発展してしまうこともありますので、必ず気付いた段階で対処をするようにしましょう。ここでは水漏れトラブルを放置すると、どんなトラブルに発展してしまう可能性があるのかについて解説をしていきます。

水道代が高くなる

ポタポタとわずかな水漏れのように見えても、ずっと水が出続けている状態になるため多少なりとも水道代に影響を及ぼす形となります。また水漏れに気付いていなくても、同じような使用料で急に水道代が高くなった、などの場合には水漏れを疑う必要があります。また希に水漏れにより漏電を引き起こしてしまい、電気代が一緒に高くなっていることもあります。普段の使用料を把握しておくことで、万が一の際に水道代や電気代から気付くことができますので、請求がきたらよく確認するようにしましょう。

水垢からカビが発生する

蛇口本体部分などからチョロチョロと染み出すように水漏れしている場合は、蛇口周辺に水垢が発生してしまうことがあります。ずっと水が出ている状況であれば水垢が発生することはありませんが、水漏れの間隔が空いている場合は水が蒸発し、水垢が発生してしまうなんてこともあります。水垢は見た目が悪いだけではなく、カビや雑菌の養分となるため水回りにカビや雑菌が繁殖してしまう原因になります。特にキッチンは食べる物を扱うため、特に注意したいものです。水垢は1日1回キッチンペーパーなどで拭いてあげるだけでも十分に綺麗になりますので、是非意識して拭くようにしましょう。

下階に影響を及ぼす

小さな水漏れでも長時間放置してしまうことで、床が腐るなどして下階に影響がでることがあります。水漏れに気付いていながら適切な対処をせず放置をしてしまった場合、下階に及ぼしてしまった影響も含め賠償金を請求されることもあります。水漏れをわざと放置するという方は少ないかと思いますが、問題なく使えているからと放置していたら、ある日突然ドバドバと流れ出るような水漏れを起こしてしまったという例が実際にあります。また修理する過程で水栓や配管を傷つけてしまい、水漏れトラブルが拡大してしまうなんてことも有り得ますので、水漏れに気付いたらすぐに業者を呼ぶなどして適切な対処を行いましょう。業者に依頼する際も、業者到着までの間は止水栓をしめておくと新たな水漏れが発生しないため安心です。

まとめ

弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。