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お風呂の塩素除去のメリット・デメリットとは? 実際に行う際の方法とは?

お役立ちコラム

住む地域が変わった際、水の臭いや髪のパサつきに悩んだことはありませんか? 飲む水には気を使っている方が多い一方で、お風呂の水にまで注意を払っている方は少ないかもしれません。しかし、お風呂の水も実は肌や髪、さらには健康に影響を与えることがあります。今回は、お風呂の水が原因で悩む方へ、塩素除去のメリット・デメリットと、具体的な方法について解説します。

塩素の重要性とは?

お風呂を含めた水道水には、必ず塩素が含まれています。掃除用洗剤などにも使われることのある塩素という言葉に、菌を殺菌するためというイメージを持つ方も多いかと思います。ここではなぜ水道水に塩素が必要なのか、その重要性について解説をしていきます。

細菌が繁殖するのを防ぐ

使用していない水は一見きれいなようにも見えますが、実はそのままだと安全であるとは言えません。透明に見える水の中にもさまざまな種類の細菌がいるため、使い続けることで感染症などの健康被害につながることがあります。そのため、協力な殺菌作用がある塩素を使用します。塩素は、微生物の細胞壁を破壊することで、細菌やウイルスの生存や繁殖を防ぎます。厚生労働省が公表する水道法によって、残留塩素濃度は蛇口から出てくる水を基準にし、1ℓあたり0.1㎎以上の濃度を保持しなければいけないと規定されています。分かりやすく水道法施行規則の抜粋を例に出すと、『給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること』と記載があります。安全に水を使うためには、塩素が必要不可欠であるということが分かりますね。

◎参考:水道法第4条及び第22条等の関係について/第3回厚生科学審議会生活環境水道部会水質管理専門委員会
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/10/s1007-5c.html
◎参考:水質基準項目と基準値(51項目)/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html

持続的な消毒効果を発揮する

水道水は、水源から浄水場を経て、配水網(配水管)を通じて家庭や施設へ届けられます。この過程で、地下からの浸透水や破損した配水管による外部からの汚染物質が混入する可能性があります。また、水道水が長い距離を移動する際には、細菌やウイルスが繁殖するリスクもあります。このため、浄水場での消毒だけでなく、水道水が家庭や施設に届くまでの過程でも、適度な殺菌効果を持続させることが重要です。塩素は水に溶けると遊離塩素となり、強力な殺菌効果を持ちます。塩素で殺菌した後に、浄水場で塩素を取り除けばいいのでは? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、適切な濃度の遊離塩素が水道水に残留していることで、配水網内での細菌やウイルスの繁殖を抑制し、再汚染を防ぐことができるのです。

公衆衛生への貢献をしている

塩素消毒が広く採用されるようになった1900年代初頭まで、水道水が適切に消毒されていなかったため、水を介した感染症(水ボルネ病)が多く発生していました。主な水ボルネ病には、コレラ、赤痢、チフス、ポリオなどがあります。これらの病気は、しばしば大規模な流行を引き起こし、多くの命が失われました。しかし1900年代初頭から、塩素を用いた水道水の消毒が広まり始めると、水ボルネ病の発生率が大幅に減少しました。これは、塩素が強力な殺菌・抗ウイルス作用を持ち、病原体を効果的に除去できるためです。さらに、塩素は持続的な消毒効果を発揮するため、配水網内での再汚染を防ぐことができます。これにより、水道水を通じた感染症の拡大が抑制され、多くの命が危険に晒されることがなくなりました。塩素による消毒は、安全な水を飲めるということだけではなく、全体的な公衆衛生への貢献とも言えます。

お風呂の塩素除去を行うメリットとは?

安全に水道水を利用する上で、塩素はなくてはならない存在だと知っていただけたかと思います。しかし、塩素は各家庭の蛇口まで安全な水を届けることが目的で、蛇口を出てしまえば塩素そのものの存在は必要ありません。むしろ人体にとっては健康面でトラブルにつながる可能性もあるため、できれば取り除いた方がいいと言われています。口に入れるものではないからそんなに過敏にならなくても、と思われる方も多いかと思いますが、お風呂の塩素除去を行うことで得られるメリットもあります。具体的にどんなメリットが得られるのか、一緒に見ていきましょう。

皮膚への刺激を抑える

アトピーの方や敏感肌の方は、お風呂やシャワーを通して肌に付着した塩素が原因で、肌が乾燥し更に皮膚トラブルが悪化してしまうこともあります。塩素の濃度はある程度統一されているものの、水源や水処理の違いによって塩素残留量が変わることがあります。そのためちょっとした変化でも、肌が敏感な方は気付くことも多いです。お風呂やシャワーなどの塩素除去を行うことで、塩素による皮膚への刺激を抑えることができ、皮膚トラブルの悪化や発生を防ぐことができます。

髪へのダメージ軽減

塩素は髪のタンパク質を破壊し、髪にダメージを与えることがあります。毎日髪の毛を洗う工程の中で、ダメージが蓄積され、髪の毛が乾燥している、ごわごわするといった違和感を感じる方も多いです。髪の毛の乾燥の元になる塩素を除去することで、髪や頭皮へのダメージを抑えることができます。

悪臭の軽減

塩素は特有の臭いがあり、その臭いがお風呂場に残ることがあります。臭いの感じ方は人それぞれですが、特に水がきれいな地域に住んでいたという方や、自然豊かな環境で暮らしていたという方は、引っ越しなどで環境が変わることにより、その地域に供給されている水の塩素の臭いが気になるという方も多いです。口にする水道水だけではなく、お風呂やシャワーからの塩素を除去することで、お風呂に残る嫌な臭いを軽減することができます。

お風呂の塩素除去を行うデメリットとは?

お風呂の塩素除去を行うことは、肌が弱い方などにとってはメリット部分がとても大きいです。しかし、塩素除去を行うにあたってデメリット面も存在します。必ずしも思うような効果が得られるとは限りませんし、費用もかかるため、塩素除去を行う前には必ずデメリット面も確認してから決断するようにしましょう。

初期費用と維持費用がかかる

塩素除去を行うためには、塩素除去に必要な製品を買わなければいけません。気軽に試せる金額のものもあれば、高い金額のものもあります。塩素除去の方法については後述しますが、どの製品を使うかなどは目的・予算によっても変わってきます。またある程度継続していくためには、維持費も発生します。数百円~数千円と、製品や塩素除去の方法によっても費用は変わりますが、維持するために継続して購入していかなければなりません。

消毒効果が低下する

塩素は水道水中の細菌やウイルスを殺す役割を果たしています。塩素を完全に除去すると、その消毒効果が失われるため、お風呂場での感染リスクが高まる可能性があります。特に、風呂桶に水をためて使用する際や、長時間お風呂場が湿った状態が続く場合などは、細菌やカビの繁殖が起こりやすくなります。お風呂の使いまわしなどは、塩素がある状態のお風呂でも最近繁殖の原因になってしまうことがあります。温泉施設で話題になることがあるサルモネラ菌なども、お風呂で発生する可能性のある有害な菌です。塩素除去を行う場合には、通常のお風呂よりも消毒効果が低いということを頭に置いて、お風呂の使いまわしを避けたり、しっかりと掃除するなどの対策を心がけましょう。

◎合わせて読みたい記事!
自宅のお風呂もレジオネラ菌は発生する! 予防法はある?
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必ずしも期待している効果が得られるわけではない

塩素による肌荒れや髪の毛のトラブルなどは、塩素だけが原因ではない場合もあります。そのため、塩素除去を行ったからと言って、期待するような効果が得られるとは限りません。もちろんお風呂のお湯が原因だと分かっている場合には、塩素によるトラブルの可能性が高いですが、日常生活の中でその他の要因が重なって発生しているトラブルの可能性もあります。不安に感じる方は、塩素除去を行う前に医療機関に相談してみるのもオススメです。

お風呂の塩素除去を行う方法とは?

塩素除去を行うメリット、デメリットそれぞれを知っていただけたかと思います。その中で、お風呂の塩素除去を行いたいと考えている方も多いかと思いますので、ここからは具体的にお風呂の塩素除去の方法について解説していきます。

方法①:ビタミンC(アスコルビン酸)を入れる

ビタミンCをお風呂に入る10分前ほどに、1g程度入れるだけで塩素除去を簡単に行うことができます。ビタミンCをお風呂の塩素除去に使用する理由は、ビタミンCが水道水中の塩素と反応して中和し、無害な物質に変換する性質があるからです。塩素は強力な酸化剤であり、ビタミンCは還元剤として働きます。ビタミンCと塩素が反応すると、クロロアミンという無害な物質が生成されます。このクロロアミンは、水道水から揮発しやすいため、お風呂にビタミンCを加えることで、水道水中の塩素濃度を効果的に低下させることができます。また、ビタミンCは天然の抗酸化物質であり、肌にも良い影響を与えるとされています。ビタミンCが肌に浸透すると、コラーゲン生成を促進し、肌の弾力やハリを向上させる効果が期待できます。さらに、抗酸化作用により、肌の細胞を酸化ストレスから保護し、肌の老化を防ぐ効果もあります。その他にも中和剤として使えるものは存在しますが、市販で比較的低価格で手に入れることのできるビタミンCはオススメです。

方法②:備長炭を入れる

ビタミンCが塩素除去にいいとお話をしましたが、循環式風呂の場合は、ビタミンCによって配管や部品などが腐食しやすく、故障につながる可能性もあります。そのため、循環式風呂の住宅であれば備長炭がオススメです。備長炭はウバメガシの木を高温で炭化したもので、日本で古くから浄水や空気清浄に用いられています。安全性も高く、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも安心して使うことができます。今ではお風呂用の備長炭が販売されており、お風呂の中で砕けないようお風呂用にパッキングされています。使用方法は製品によりますが、お風呂を沸かす際にお湯が備長炭を通して浴槽にたまるよう調整することで、塩素除去効果と消臭効果が期待できます。使用後は乾燥させる必要があるため、水につけたままにしないよう注意が必要ですが、比較的手軽に使うことができるため、塩素除去の方法として人気があります。

方法③:塩素除去用シャワーヘッドに交換する

シャワーからの塩素も気になるという方は多いかと思います。そんな方に試していただきたいのが、塩素除去用のシャワーヘッドに交換するという方法です。シャワーヘッドを買う必要がある分、初期費用が少し高くなり、カートリッジや内部の塩素除去用製品を買う必要があるため維持費もかかりますが、シャワーヘッドからの塩素による負担を取り除くことができます。近年は塩素除去意外にも美容効果の高い成分が入ったシャワーヘッド、カートリッジなども売っているため、悩みに合わせて製品を選ぶことができ、お風呂の時間を充実させることができます。

お風呂を衛生的に使うためには、定期的なメンテナンスも必要!

塩素除去を行っても、お風呂の臭いが取れないというお悩みの方は、お風呂のクリーニングやメンテナンスも併せて検討してみましょう。なかなか掃除ができないお風呂の配管なども、長年放置してしまうことで汚れが蓄積してしまい、臭いやつまりの原因になることがあります。目に見える部分は綺麗なのに、お風呂のクリーニングを依頼したら真っ黒な汚れがゴッソリ出てきた・・・というケースはよくあります。しかし手の届かない範囲を自力でお掃除するのは難しい部分もあります。そこで活用したいのが、プロの業者によるクリーニングやメンテナンスです。プロの業者にクリーニングを依頼することで、目に見えない部分の配管汚れやカビなどを除去してもらうことができ、お風呂を衛生的に使うことができます。また同時にメンテナンスを行うことで、劣化した部品や配管、給湯器などのトラブルを予防し、万が一トラブルが発生していても大きな被害が出る前に対処することができます。お風呂の衛生面を見直したい、臭いや汚れをしっかり取り除きたい、という方は、プロの業者に頼ってみるのもオススメですよ。

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臭いの原因は排水管!? 臭いの原因&解決策をご紹介
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まとめ

弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。