「防水加工の服、洗濯機で洗っていませんか?」見た目には普通の服と変わらないため、つい何気なく洗濯機に入れてしまいがちですが、実はそれが洗濯機の故障につながる危険があります。梅雨や夏が近づく今の時期は、レインコートや水着のポケット内部などの防水加工が施された衣類が多くなるため、洗濯機を使用する際には注意しなければいけません。そこで今回の記事では、防水加工衣類を洗濯機で洗うことのリスクを詳しく解説し、水回りの思わぬトラブルを未然に防ぐための知識をご紹介します。
防水加工の衣類が引き起こすトラブルとは?

防水スプレーが施されたジャケットやレインコート、スキーウェア、バイク用のウエアなど、防水機能のある衣類は便利で重宝される存在です。しかし、こうした衣類を洗濯機にそのまま入れてしまうことで、思いがけないトラブルが発生することがあります。特に近年の洗濯機は高機能化が進み、センサー制御やバランス調整が繊細なため、ちょっとした誤った使い方でも不具合を起こしやすくなっています。ここでは、防水加工の衣類が洗濯機に与える具体的な影響や、家庭内でどのようなトラブルにつながるのかを詳しく見ていきましょう。
排水不良や脱水エラーの原因になる
防水加工された衣類は水をほとんど通さないため、洗濯中に衣類の中に水が溜まりやすくなります。この状態では、洗濯槽の中で水の流れが阻害され、排水ホースにうまく水が流れ込まず、排水機能に負荷がかかります。洗濯機によっては、排水不良としてエラーを表示し、運転を中断してしまうこともあります。特にドラム式洗濯機では、衣類の重さや水の偏りに敏感に反応するため、防水衣類を複数枚入れただけでもエラーが頻発する可能性があります。洗濯のたびにエラー音が鳴り、手間がかかるだけでなく、洗濯機内部のポンプやセンサーに継続的な負担がかかることによって、徐々に故障リスクも高まっていきます。
異常振動や故障のリスクが高まる
防水衣類に溜まった水は重く、洗濯槽内での回転バランスを大きく崩します。特に脱水工程では、偏った水の重さにより洗濯槽が大きく揺れ、通常以上の振動を伴います。このような異常振動は、床に響く大きな音を立てるだけでなく、洗濯機そのものの設置バランスを崩し、内部パーツのズレや損傷の原因にもなります。一部の洗濯機には安全装置が搭載されており、激しい振動を検知すると自動的に運転を停止する設計になっていますが、頻繁にそれが繰り返されると本体のセンサーや制御基板に不具合が出る恐れもあります。さらに、洗濯中に本体が動いてしまい、壁にぶつかったりホースが外れて水漏れにつながったケースも報告されています。
洗濯槽や排水部への物理的ダメージ
防水加工の衣類は素材が厚く、表面が滑りやすいため、洗濯槽内で他の衣類と絡まりやすい特徴があります。このとき、ファスナーやバックル、コード類が他の衣類や洗濯槽の壁面に強くこすれ、素材を傷つけてしまうことがあります。特にドラム式では、槽の内側に直接接触しながら回転する構造のため、摩耗による金属パーツの劣化やコーティング剥がれが起こりやすくなります。また、防水素材の一部には摩擦に弱い加工がされていることもあり、それが剥がれた破片がフィルターや排水溝に詰まる原因になることもあります。物理的な損傷は一度発生すると修理が必要になり、放置すると排水不能や異音の発生といったさらなるトラブルに発展する可能性もあります。
洗濯機本体の寿命を縮める原因に
上記のようなトラブルが何度も起こると、洗濯機本体の構造にじわじわと負荷が蓄積され、結果として故障や買い替えの時期を早めてしまいます。例えば、排水ポンプやバランスセンサー、脱水モーターといった繊細なパーツにストレスがかかり続けると、数年持つはずの部品が早期にダメになるケースも少なくありません。また、誤作動や中断を繰り返すことで、洗濯そのものが完了しないことが多くなり、ユーザーのストレスにもつながります。機械本体にとっても、使用者にとっても大きなマイナスとなり、知らず知らずのうちに家計にも影響を与えるリスクを抱えることになります。
防水加工の混入によって洗濯機が壊れたらどうなる?

防水加工された衣類を誤って洗濯機に入れてしまい、繰り返しエラーや振動、排水不良が発生した場合、最悪のケースでは洗濯機そのものが故障してしまう可能性があります。一度の使用で完全に壊れることは少ないものの、気づかないうちにじわじわと機械内部に負荷をかけ、やがて重大なトラブルに発展するのです。ここでは、防水衣類が原因で洗濯機が壊れた場合にどのようなことが起こるのか、具体的に見ていきましょう。
修理費用が高額になることもある
防水衣類が引き起こすトラブルの中でも特に深刻なのが、排水ポンプや脱水モーターなどの主要部品の故障です。これらの部品は洗濯機の中でも要の機構であり、修理には専門業者による分解作業が必要になるため、部品代と作業費を含めると1万円〜3万円、場合によってはそれ以上の費用がかかることもあります。また、修理内容によっては部品の取り寄せに時間がかかることもあり、すぐには使えない不便さが数日〜数週間続くこともあります。特に家族世帯では日々の洗濯が滞るため、コインランドリーを利用するなどの余計な出費が増えてしまう可能性もあります。
保証の対象外になるケースもある
洗濯機のメーカー保証や延長保証がついている場合でも、「使用方法に問題があった」と判断されると保証の対象外になることがあります。実際、防水加工の衣類を取り扱う際の注意書きは多くの洗濯機の取扱説明書に記載されており、「脱水不可」「防水性の高い衣類は単独洗い」といった注意喚起がなされているのが一般的です。それにもかかわらず通常の衣類と同様に洗濯し、機械に負担をかけたと判断された場合、メーカー側は無償修理を拒否することが多く、すべて自己負担での対応となってしまいます。自己責任で発生した事態は予想外の出費となるだけでなく、トラブル後のやり取りに時間や労力がかかることもあるため、精神的にも大きなストレスになります。
最悪の場合、買い替えが必要になる
洗濯機の内部ユニットが深刻なダメージを受けている場合や、修理対応ができない古い機種だった場合には、本体の買い替えが必要になるケースもあります。特にドラム式洗濯機などの高価格帯モデルでは、新たに購入するには10万円〜20万円以上の出費がかかることもあり、家庭の家計に大きな打撃となります。また、壊れたタイミングが悪く、繁忙期の買い替えや配送の遅延に巻き込まれると、数日〜数週間、洗濯機がない状態が続くことになります。その間の洗濯手段をどうするか、仮設置や代用機をどう手配するかなど、想定外の対応を迫られるのです。
防水加工衣類を安全に洗濯する方法とは?

防水加工された衣類は、アウトドアやスポーツ、通勤通学など日常のさまざまなシーンで活躍する便利なアイテムです。しかし、通常の衣類と同じように洗濯してしまうと、洗濯機に負担をかけたり、思わぬ故障の原因となることがあります。では、こうした防水加工衣類を安全に、かつ清潔に保つにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、家庭でも実践できる「洗濯時のポイント」や「取り扱い時の注意点」を具体的に紹介します。ほんの少しの工夫で、衣類も洗濯機も長く安心して使い続けることができます。
洗濯表示を必ず確認する
まず最初に大切なのは、衣類についている「洗濯表示タグ」を確認することです。防水加工された衣類の多くには、「手洗いのみ可能」や「脱水・乾燥不可」など、特別な注意点が記載されています。特に「洗濯機不可」や「水洗い不可」と明記されている場合は、洗濯機の使用を避け、専門のクリーニング業者に任せる方が安心です。また、「ドライクリーニング可」や「陰干し推奨」など、乾燥方法にも細かい指定があることがあるため、洗濯機で洗う前に必ず確認しましょう。タグが劣化して読めない場合は、少し手間にはなりますが、製品のメーカーサイトや商品説明ページから情報を探したり、選択方法を問い合わせるといった方法もあります。
単独洗いや洗濯ネットを活用する
防水衣類を洗濯機で洗う場合は、必ず1枚ずつ洗う(単独洗い)のが基本です。複数枚入れてしまうと、水分の偏りが激しくなり、脱水時のバランスが大きく崩れてしまいます。衣類が重なることで水が抜けにくくなるだけでなく、機械にかかる負荷が増して故障の原因になります。また、ファスナーやベルト、バックルなどの硬いパーツが他の部分に傷をつけないように、洗濯ネットに入れて洗うのも効果的です。ネットに入れることで、洗濯中の過度な回転や摩擦を抑え、衣類の形状や防水機能を保つことにもつながります。
脱水は短時間にとどめるか、手で水を切る
防水加工の衣類は水を弾く性質があるため、脱水時に水分が偏ってしまいがちです。脱水時間を通常の衣類と同じように設定すると、洗濯機が大きく揺れてエラーが出る、機械内部に強い振動がかかるなどのリスクが高まります。ドラム式では特に注意が必要です。そのため、脱水は1分程度の短時間にとどめるか、場合によっては脱水を行わず、手で水を切ってから干す方法が安全です。バスタオルで挟んで水分を吸収する方法も、衣類を傷めずに脱水する手段として有効です。
洗濯機の機種ごとの注意点を確認する
最近の洗濯機には「毛布コース」「おしゃれ着コース」「手洗いコース」など、多様なモードが搭載されています。防水加工衣類を洗う場合は、これらの低速回転・短時間・少水量モードを活用するのがおすすめです。また、洗濯機の取扱説明書には「防水性衣類に対する注意」が記載されていることが多く、そこに従うことでトラブルのリスクを大幅に減らせます。メーカーによっては防水衣類の洗濯を完全に禁止しているケースもあるため、必ず確認しましょう。
洗濯後は陰干しでしっかり乾燥させる
防水衣類は乾燥にも注意が必要です。高温の乾燥機に入れてしまうと、防水コーティングが劣化したり、はがれたりするおそれがあります。そのため、直射日光を避けた陰干しが基本です。また、水分が衣類内部にこもりやすいため、しっかりと乾燥させないとカビや嫌な臭いの原因になることもあります。風通しのよい場所に吊るして、時間をかけて乾かすことを心がけましょう。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。