「排水管に油を流してはいけません」と、教わったことがあるという方はどれくらいいるでしょうか。知っているという多くの方は、料理をする際に親や友人などから教えてもらったのではないかと思います。しかし、料理をする機会がなく知らないという方も多いのが現実です。排水管に油を流してはいけないということは、一般常識として認識されてはいるものの「知らなかった」という方はとても多く、学校でも大量に油を使う授業がなく習わなかったという方もいます。そのため、大人になってからも知らずに油を排水管に流してしまうという話はよく聞きます。しかし、今まで問題なく過ごせていたとしても、実際には油を排水管に流すことは様々なトラブルの原因となるため、基本的にはオススメできない行動です。そこでここでは、油が引き起こす排水管のトラブルや、見落としがちなNG行動について詳しく解説し、排水管をよりきれいに保つ方法について一緒に確認をしていきましょう。
油が排水管を詰まらせる理由とは?

料理の際に出る油は、見た目以上に排水管にとって厄介な存在です。しかし「少量だから大丈夫」と流してしまう人も多いですよね。「水や洗剤が油を流してしまうから大丈夫だろう」「ちょっとくらい流しても大して問題ない」と、油の存在を軽視してしまうこともあるかと思います。しかし、油の性質や排水管内に流れ出た後どうなるのかを理解すると、油を排水管に流してしまうことの危険性がよく分かります。では、なぜ油を排水管に流してしまうと危険で、さらに排水管の詰まりの原因になるのでしょうか。ここでは油が排水管を詰まらせる理由について、油の性質について触れながら解説していきます。
油は水に溶けず、冷えると固まる
油は液体のため、一見そのまま流しても問題ないように見えますよね。しかし実は油は水と混ざらず、温かいうちは液体でも、冷えると固まる性質があります。そのため排水管に流れると、最初は水と一緒にスムーズに流れていきますが、時間が経つと管の壁に付着し始めてしまうのです。さらに、流れの途中で混ざる食べ残しや洗剤のカスなどが油に絡み、固まりの厚みが増していくことが多いです。この固まりは排水管中ほどで発生することが多く、初期段階では気づきにくいことが多いです。流れが悪くなった時点ではすでにかなり蓄積されていることもあります。少量でも毎日の積み重ねがつまりの原因になるため、油の性質を理解しておくことはとても大切なことです。
排水管の曲がり角やトラップで油がたまりやすい
排水管は直線部分だけでなく、曲がり角やトラップといった構造的に流れが緩やかになる部分があります。排水管の曲がり角やトラップに油が流れ込むと、水流が弱まるため壁面に油が付着しやすくなります。さらに、この曲がり角やトラップに食べ残しやゴミが絡むことで、固まりが徐々に形成されてしまうのです。初めは流れが少し遅くなる程度ですが、長期的にはゴボゴボと異音がしてきたり、悪臭を感じるといった排水トラブルとして現れることがあります。こうした排水管の曲がり角やトラップで起こる「目に見えない油や汚れの蓄積」が、油による典型的な詰まりトラブルの原因のひとつです。
少量の油でも毎日の習慣で配管の負担が増える
一度に流す油の量は少ないから問題ない、と思っている方は大きな間違いです。少量の油であっても、毎日の調理で繰り返すと排水管には大きな負担となります。また少量の油が管の壁に層状に付着し、数週間から数か月で厚みを増すことで流れを妨げるつまりになることもあるのです。少しずつ蓄積された油汚れはとても強固で、普段の掃除では簡単に流れてくれません。汚れ具合によっては、配管を一度解体しなければいけない、なんてこともあり得ます。少量の油は軽視してしまいがちですが、配管詰まりの重大なトラブルにつながる可能性があると、知識として持っておくことが大切です。
油と他の汚れが絡むことで固まりが大きくなる
油は単独でも固まり詰まりの原因となることがありますが、排水管内では他の汚れと絡むことでさらに厄介な固まりを作ります。例えば食べ残し、洗剤の残り、髪の毛や野菜くずなどです。こうした他の汚れが油に付着することで、油と油いがの汚れで固まりがどんどん大きくなり、排水管の通水を妨げるのです。配管内で大きな詰まり汚れができてしまうと、単純なつまり清掃では解消できず、専門業者による修理が必要になることもあります。小さな油でも、ほかのゴミと混ざることで大きなトラブルに発展するため、特に様々な汚れが流れ込むキッチンでの油の取り扱いには注意が必要です。
どんな行動が油トラブルのNG行動につながりやすい?

普段の何気ない行動が、排水管の油トラブルにつながっていることがあります。特に「少量だから大丈夫」と考えて油を流してしまう行為は、排水管の詰まりの原因として非常に多いです。しかし、油を流していることを意識しないまま実は油を流してしまっていた、なんてことも多いです。そこでここでは、油トラブルを引き起こしやすい日常のNG行動を具体的に紹介し、配管に及ぼすその危険性を解説していきます。
フライパンや鍋の油をそのまま流す
調理後、フライパンや鍋に残った油をそのまま排水口に流す行為は典型的なNGです。たとえば、焼き肉の後の肉汁や、揚げ物後の少量の揚げ油など、ほんの数十ミリリットルでも長期的には排水管内に蓄積します。油は冷えると固まり、管の壁にこびりつきやすくなるため、少しずつ厚みを増していきます。さらに、食べ残しのカスや調味料の残りと絡むと、より頑固な固まりとなり、水の流れを妨げるのです。少量だからと汚れを落とすついでに安易に流す習慣が、知らぬ間に大きなつまりの原因になってしまいます。
皿やボウルを水で流しながら洗う
朝食後の油まみれの皿や、ドレッシングが残ったボウルをそのまま水で流しながら洗う行為もNG行動のひとつです。例えば、目玉焼きの油やマヨネーズの残りが水と一緒に排水口に流れると、排水管内で固まりやすくなります。スポンジだけで洗った場合も、油分が完全には落ちず、排水口に少しずつ残ります。これが蓄積されると、気づかないうちに薄い油の層を形成し、排水の遅れや悪臭につながります。毎日の何気ない洗い方でも、排水管の負担は確実に増していくため注意が必要です。
揚げ物の油を直接流す
揚げ物の調理油は特に注意が必要です。天ぷらやフライの後、油をフライパンからそのままシンクに流す人もいますが、油の量が多く温度も高いため一見流れやすく思えます。しかし、排水管内ではすぐに冷えて固まり、衣や揚げカスと絡むことで、排水管の内側に厚い固まりを作ってしまいます。少しずつ流し続けると、数週間~数か月で流れを妨げる大きな詰まりに成長します。家族の多い家庭では、毎日の揚げ物で知らぬ間に排水管が油で覆われてしまうこともあります。配管やシンクは高温に耐えるよう設計はされていないため、配管やシンクが傷む原因にもつながることもあります。
排水トラップの掃除を後回しにする
排水トラップは油が溜まりやすい箇所ですが、掃除を後回しにすると蓄積が加速します。例えば、週末しか掃除しない場合でも、平日の間にフライパンや皿から流れ出た油がトラップにどんどん付着していきます。そこに食べカスや髪の毛が絡むことで固まりが形成され、排水の流れを妨げます。見えない場所だからと掃除を怠ると、目に見えるトラブルとしてゴボゴボ音や悪臭に発展するリスクが高まります。
油を拭き取らずにスポンジで洗う
フライパンや皿の油を紙やキッチンペーパーで拭き取らず、スポンジだけで洗う行為も危険です。例えば、揚げ物後の鍋をスポンジで洗い流すだけでは、油の薄い層が排水口に流れ出ます。この少量の油でも、排水管内では固まりやすく、食べ残しや洗剤カスと絡むことで徐々に堆積していきます。毎日の習慣として油を拭き取らないと、排水管内に見えない油の層が蓄積され、気づいたときには頑固な詰まりを引き起こす原因になってしまうのです。
排水管の油詰まりを予防する方法とは?

油の性質や日常のNG行動を理解していても、実際に排水管を守るためには意識的に予防していくことが必要です。普段何気なくやってしまうちょっとした習慣を変えるだけでも、油による詰まりを未然に防ぐことができます。そこでここでは、家庭で簡単に実践できる油詰まり予防の方法を具体例とともに解説していきます。
フライパンや鍋の油は紙で拭き取ってから洗う
調理後のフライパンや鍋に残った油は、必ずキッチンペーパーなどで拭き取ってから洗いましょう。たとえば天ぷら鍋や炒め物のフライパンでは、油をそのまま流すと排水管内で固まりやすくなります。少量の油を排水管に流し込まないことを意識することが大切です。キッチンペーパーで拭き取るだけでも、管内に流れる油の量を最小限に抑え、配管の詰まりを予防することができます。ちょっとした量の油だとついそのまま洗剤で流してしまおうと考えがちですが、キッチンペーパーで油や汚れを拭き取るという少しの手間で排水管への負担を減らし、長期的なトラブル予防もすることができます。毎回調理後は、キッチンペーパーでフライパンや鍋を拭き取るよう意識してみましょう。
皿やボウルの油は水で流す前に拭き取る
洗い物の際、調理後のフライパンや鍋だけではなく、油が残った皿やボウルを水で流す前に拭き取ることも効果的です。目玉焼きの油やマヨネーズ、ドレッシングの残りをスポンジで流す前に紙で拭き取るだけで、排水管に流れる油を大幅に減らせます。油というと調理時に使う油だけだと思いがちですが、実際には市販の食品などにも油はたくさん含まれているため、洗剤で流す前に拭き取っておくことが大切なのです。これにより、管内での油の蓄積を防ぎ、詰まりや悪臭のリスクも抑えられます。毎日の洗い物の習慣を少し変えるだけで、長期的に排水管を守ることができます。
使用済みの油は固めてから処理する
揚げ物などで大量の油が出る場合は、固めてから処理すると安全です。例えば、使用済みの油を冷まして固める、または新聞紙や油凝固剤を使って吸わせてからゴミとして捨てる方法があります。排水口に直接流さずに処理することで、排水管に油が付着するリスクをほぼゼロにできますし、量の多い油をキッチンペーパーで拭き取る手間もありません。家族の多い家庭や揚げ物の頻度が高い場合は特に使いやすく、処理がしやすくなるためオススメです。
排水口は定期的に掃除する
排水口は油がたまりやすい箇所です。定期的にトラップを取り外して掃除し、固まった油やゴミを取り除くことが大切です。例えば、週に1回程度の目安で、排水口にぬるま湯を流し込み汚れを浮かせてからブラシで洗い流すと、油や油に絡まって溜まるその他の汚れの蓄積を防ぎやすくなります。掃除を習慣化することで、目に見えない箇所の油が徐々に溜まるのを防ぎ、詰まりの発生を未然に抑えることもできます。また、夏などは雑菌が湧きやすいため、排水口をきれいにしておくことで、水回りをより衛生的に保つこともできますよ。
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まとめ
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