中古住宅を購入したあとに「水漏れしていた」「下水臭がする」など、水回りのトラブルに悩まされるケースは少なくありません。とくに築年数が経った住宅では、見た目だけで判断すると危険なことも多く注意しなければいけません。そこで今回の記事では、入居前に確認すべき水回りの修理・交換ポイントをわかりやすく解説します。中古住宅の購入を検討されている方や入居を控えている方は、本記事の内容を事前にチェックして、安心して暮らせる住まいを一緒に整えていきましょう。
なぜ中古住宅の水回りは注意が必要?

中古住宅を購入する際、外観や間取りばかりに目が向きがちですが、実は見えにくい部分である水回りの状態こそ注意が必要です。キッチンやトイレ、浴室、洗面台といった設備は日常的に水を使うため、築年数に関係なく劣化が進みやすくなっています。しかも、水漏れや腐食、排水トラブルなどは目に見えにくい箇所で発生していることも多く、入居後に発覚するケースが少なくありません。ここでは、中古住宅の水回りをチェックすべき理由を、3つの視点から詳しく解説します。
築年数が古いと設備が劣化している可能性が高い
中古住宅では、築20年・30年と年数が経っている物件も多く、水回りの設備や配管が劣化しているケースが少なくありません。キッチンやトイレ、浴室などは日常的に水を使う場所であり、使用頻度が高いために他の部位よりも老朽化しやすいのが特徴です。特に給排水管やシーリング材など、見えない箇所の劣化は気づきにくく、漏水や腐食の原因になることもあります。見た目はキレイでも、内部に深刻な傷みがあることもあるため、築年数が古い物件では慎重なチェックが必要です。
見えない部分のトラブルは発見が遅れやすい
水回りのトラブルの多くは、壁や床下、収納の裏側など、ふだん目にしない場所で起きています。たとえば洗面台の下で微細な水漏れが続いていた場合、木材の腐食やカビの発生に気づくのはかなり時間が経ってからということも珍しくありません。こうした「隠れた不具合」は、入居後に生活を始めてから気づくケースが多く、対応が後手になってしまいがちです。購入前の内見では、できるだけ収納の中や配管周辺なども細かくチェックするようにしましょう。
前の住人の使い方によって状態が大きく異なる
中古住宅の水回りの状態は、単に築年数だけで判断できるものではありません。以前の居住者がどのように設備を使っていたか、どれだけ丁寧にメンテナンスしていたかによって、大きな差が生まれます。たとえば日常的に油を排水口に流していた家庭では、キッチン排水管の詰まりや悪臭のリスクが高まりますし、換気をあまりしていなかった浴室では、見えないカビや腐食が進行していることもあります。物件選びの際には、使い方やリフォーム履歴などもできるだけ確認しておくことが重要です。
入居前に確認すべき水回り修理・交換ポイントとは?

中古住宅を購入した後に水回りのトラブルが発覚すると、想定外の修理費用や生活の不便が生じることになります。とくに水回り設備は、見た目がキレイでも内部に劣化や損傷が潜んでいることが多いため、事前のチェックが欠かせません。入居前にどこを確認すべきかを知っておけば、将来的なトラブルを未然に防げます。ここでは、各設備ごとに修理・交換の必要性を見極めるポイントを紹介します。
キッチン:排水の詰まり・水栓の劣化・床の腐食
キッチンでは、シンク下の配管や床材の状態を必ず確認しましょう。排水管が詰まっていたり、水漏れが起きていたりすると、床材が腐食してフワフワとした感触になることがあります。また、水栓金具が古くなっていると、水漏れやハンドルのぐらつきが起きやすくなり、交換が必要になるケースも。さらに、見落としがちなポイントとしては換気扇の機能や、収納の中のカビ臭なども重要です。キッチンは調理で毎日使う場所だからこそ、使用感や設備の反応も細かくチェックしておくべきです。
トイレ:便器のぐらつき・タンクの水漏れ・床の染み
トイレは長年の使用によって劣化しやすい場所のひとつです。とくに便器の設置部分にぐらつきがある場合は、床下に水が漏れている可能性があるため注意が必要です。また、タンクの内部パーツが劣化していると、チョロチョロとした水漏れが発生し、水道代が高くなる原因にもなります。床材に黒ずみや変色がある場合は、水漏れやカビのサインであることも。使用していない状態でもタンクの水が漏れていないか、便座周りに異常がないかを確認しておきましょう。
浴室:目地のカビ・コーキングのひび割れ・排水の流れ
浴室では、防水性能が保たれているかが重要なチェックポイントです。壁や床のタイルの目地に黒カビが生えていたり、コーキングにひび割れがある場合は、そこから水が染み込み内部の構造材を傷めている可能性があります。また、排水口の流れが悪いと、配管に髪の毛や皮脂が蓄積していることが考えられ、詰まりや悪臭の原因になります。シャワーヘッドや混合栓の水圧が弱すぎないか、換気扇がしっかり機能しているかなども、快適な浴室環境に欠かせない要素です。
洗面台:収納内部の水濡れ・排水トラップの腐食・鏡裏のカビ
洗面台の下の収納スペースは、排水トラップや給水管が通っているため、水漏れが発生しやすい場所です。収納の中に水濡れ跡があったり、カビ臭がこもっていたりする場合は、すでに何らかのトラブルが起きている可能性が高いでしょう。排水トラップの金属部分がサビついている、ゆるんでいるなどの兆候が見られたら、交換の検討も必要です。さらに、三面鏡の裏などは湿気がこもりやすく、カビが発生していることもあるので、開けて状態を確認しましょう。
給湯器・配管:年式の確認・サビ・凍結歴の有無
給湯器や配管も、見逃しがちな重要チェックポイントです。給湯器には製造年月が記載されており、一般的に10〜15年が寿命とされています。設置から10年以上経っている場合は、いつ不具合が起きてもおかしくありません。また、外に露出している給水管や給湯管にサビが出ていたり、保温材が劣化していたりする場合は、凍結や破損のリスクが高まります。過去に凍結事故がなかったかを確認することも、寒冷地ではとくに重要です。
修理・交換が必要な場合の費用目安とは?

中古住宅の水回りに不具合が見つかった場合、「いくらかかるのか」が最大の関心事になります。設備ごとの修理や交換には幅があり、軽微な補修で済むケースもあれば、丸ごと取り替えが必要なこともあります。ここでは、代表的な水回り設備ごとに、修理・交換にかかる費用の目安を解説します。予算計画の参考にするとともに、相場を知ることで高すぎる見積もりへの対策にもつながります。
キッチンの修理・交換費用の目安
キッチンの水栓金具の交換は、部材込みで1万円〜3万円ほどが相場です。排水詰まりの清掃や軽度の補修であれば1万円前後で対応できることもありますが、シンク下の床材が腐っている場合は、下地補修と床張り替えで5万〜10万円程度の工事になることも。さらにシステムキッチン自体を入れ替える場合は、グレードによって30万〜100万円以上と大きく変動します。築年数が長く、部分修理では不安な場合は、丸ごとリフォームを検討する価値があります。
トイレの修理・交換費用の目安
トイレのタンク部品の交換(フロートバルブやゴムパッキンなど)であれば、1万円以内で済むことが多いですが、水漏れや便器の劣化が進んでいる場合は、便器ごと交換する必要があるかもしれません。一般的な洋式トイレの本体交換費用は10万円〜20万円程度が目安です。節水型やタンクレスなどの最新式を選ぶと、さらに高額になることも。床下の腐食や排水管の損傷がある場合は、それらの修繕費が別途必要になる点にも注意しましょう。
浴室の修理・交換費用の目安
浴室の防水コーキングの打ち直しだけであれば、3万〜5万円前後で済むことがあります。排水口の詰まり解消やシャワー水栓の交換も、1万〜3万円程度が一般的です。しかし、タイルのひび割れや床の腐食がある場合、防水層のやり直しが必要となり、20万円以上の費用がかかることもあります。また、ユニットバスを丸ごと交換する場合は、最低でも60万〜80万円程度、広さやグレードによっては100万円以上になることも想定しておきましょう。
洗面台の修理・交換費用の目安
洗面台の排水トラップの交換や、蛇口の修理といった軽微な内容であれば、1万円〜2万円程度で対応できます。ただし、キャビネット内部が水漏れで腐っている場合や、鏡の裏にカビが広がっている場合は、洗面化粧台全体の交換が必要になることも。その場合、一般的な価格帯で5万円〜15万円程度が目安です。収納一体型の三面鏡タイプや、ボウルが2つあるタイプなどを選ぶと、価格は20万円を超えることもあります。
給湯器・配管の修理・交換費用の目安
給湯器の寿命はおよそ10〜15年。故障や劣化が見られる場合は交換が必要です。ガス給湯器の交換費用は、標準的なもので15万〜25万円程度。エコジョーズなどの高効率タイプでは30万円を超えることもあります。配管の部分補修は5千円〜2万円程度で済む場合もありますが、配管全体の交換となると10万円〜30万円以上かかることも。とくに床下や壁内に配管が通っている場合は、工事内容によって大きく変動するため見積もりを取ることが重要です。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。